肥満のもつ危険性として心臓疾患になりやすくなるというのがあります。肥満は心臓に負担をかけるのは本当の話です。なぜそのようなことになるのかその理由を考えてみましょう。

細胞のなかには脂肪細胞という細胞があります。これは脂肪の合成や分解、蓄積をおこなう細胞です。肥満になるとこの脂肪細胞の数が多くなり、細胞自体も大きくなります。そして脂肪細胞を維持するためにも栄養が必要です。その栄養を送り込むために脂肪組織へも血液を流す必要があります。脂肪組織が大きくなってしまうと、それだけ多くの血液の量を送り込む必要があり、心臓の負担も大きくなります。

また脂肪細胞が肥大化すると、インスリン抵抗性を惹起する種々の物質が分泌され、糖尿病になりやすくなります。またレプチンという物質も分泌されます。これは肥満中枢を刺激して食欲を抑制する作用があるのですが、交感神経の活動を亢進させて血管を収縮させる作用もあります。そうなると血液を循環させるためには高い血圧が必要になります。高血圧の原因になり、心臓に負担をかけてしまうのです。

また皮下脂肪は絶縁効果があります。熱を逃がさない性質があるのですが、あまり皮下脂肪が厚くなると余分な熱を放出するのが難しくなります。体温が上がり過ぎるとよくないので、血流量を増加させて熱をなんとか効率よく放出させようとします。そうなればこれも心臓に負担をかけてしまいます。

最後に肥満状態だと体重が増えます。重いからだを動かすためには、それだけ大きなエネルギーが必要になります。からだを動かしているのは筋肉であり、そこへ必要な酸素と栄養分を送らなければならなくなるので、これもまた心臓の負担を増やしてしまうのです。